次世代の薄膜の太陽電池の開発は、2010年代はじめには実用化

 結晶系、アモルファス、化合物系薄膜、そして次の有機系薄膜などの太陽電池、第三世代といわれる製品が実用化するのはいつなのだというのは気になるところです。気が早いと言われますが、それでも気になります。

 世界的な不況の影響で太陽電池も日本以外ではあまりつつある状況も生まれています。日本では、この春の国や自治体の補助の影響もあって春口は品薄ですが、年末から来年にかけては日本でもあまるのではないかという観測があります。住宅着工数の減少などの影響がどこまででるのか見極める必要があるということです。

 さて、第三世代の太陽電池は現在の二分の一、三分の一以下程度の価格になるといわれています。薄く、資源量も豊富な材料でメリットは多そうです。例え変換効率が悪くても、未利用な日当たりのいい場所にどこにでも設置できる商品になれば、太陽光発電が発電源としての存在感を増すことになるのは間違いがないところです。

 現状の太陽電池でも30kmの正方形程度の面積で、国の電力需要の十分の一程度の電力をまかなうことができます。

・年間発電量1000億kWhを太陽光発電所でまかなうにはどれだけの面積が必要か?-----ソフトエネルギー、2009/03/19
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2009/03/1000kwh-4b6c.html

          • image : Google Earthキャプチャー画像。四角は一辺が30kmの正方形。


 しかし、実際の日本の計画では、太陽光発電に期待されているのは、最大導入のプランでさえ、地熱、太陽光発電、小水力、バイオマス、風力を合わせても2030年で電力需要の4%にすぎません。

・参考
資源エネルギー庁 「長期エネルギー需給見通し」のとりまとめ(平成20年5月21日版)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/080523.htm

 太陽電池単独で5%程度は可能であり、必要だと考えますので、私の希望的な容量と国の考えには大きな隔たりがあります。
 上の参考資料で最大導入のプランで異常に増加するのが49%の原子力発電です。地震国で原子力発電を使うことは事故だけでなく、一度大きな地震にあった原発は、復旧できたとしても大きなコストと”事故所”としてのリスクをともなうことを考えるとこの数字はいただけません。

 報道や話題的には、太陽電池をはじめとする自然エネルギーへの話題数、投資、いい意識の拡大があると考えていますが、それでもまだまだ軽んじられています。2030年に30%程度の自然エネルギーへの依存をもたらすことが省エネと組み合わせれば可能です。2050年の段階で、省エネを50%とすることで、化石燃料への依存度を半分に、再生可能エネルギーへの依存を50%にというシナリオを真剣に考えている海外の研究機関もあります。 いまこの経済危機の中で、日本は外需への依存がリスクの高い生きかたであることを痛感しています。
 内需、国の将来、つまり少子高齢化地域格差、年金や医療への不安といった問題は、このままでは十分な対応がなされないままで、次世代を迎える悲しい未来も創造できる昨今の政治状況です。

 さて、そんななかで第三世代の太陽電池の開発が国内外でしのぎを削っておこなわれています。まさに、企業と国の未来をかけた開発競争といってもいいかもしれません。エネルギーの分野で、脱石油、温暖化効果ガスの削減という二重の意味で大きなテーマとなったことで、太陽電池への期待は高まるばかりと考えます。

 では、いつそれは開発されるのか?
 2010,2011,2012,2013,2015,,,
 それとも悲観的な人の2020年以降や、開発が失敗してしまうという予測が正しいのか?

 そんな予測をしても意味がない。開発されるときには、開発される。たぶんそんな姿勢が正しいのでしょう。
 しかし、原子力に大きな予算が取られる現在の状況がとても歯がゆいのです。